お金の整理 · 2024/09/24

定年後は働きたいですか？

定年後に働かないようにするための準備

定年後に働かなくても生活にゆとりが持てるようにするためには、定年後の収支を明確にしておくことが重要です。

例えば、収入においては公的年金の受給額や退職金、支出においては生活費や固定費などです。

予想される収入と支出の差額を計算し、どのくらいの差が発生するのかを確認しましょう。年金の受給額は日本年金機構から送られてくるねんきん定期便、もしくは、日本年金機構の公式サイトにある年金ネットで確認可能です。定年前に確認を行い、月々の収支を把握しておきましょう。次に、老後に必要な金額を計算します。予想される収入と支出の差額を算出したら、亡くなるまでにトータルでいくら資金が足りていないのかを確認します。

65歳で仕事を辞めて100歳まで生きると仮定した場合、35年分の生活費が必要です。毎月3万円の差額が発生している場合、1年で36万円、35年で1260万円が必要と考えられます。差額分を補うため、事前に資産を貯めておくのか、副業を続けて継続的に収入を得るのか、自分に合った方法で足りない生活費を準備しましょう。年金の受給額や毎月の支出額には個人差があります。

定年後の就業意向について

老後の就職に関する意向調査は、働く意欲や理由、または定年後の働き方のトレンドを理解する上で重要なデータです。

例えば、厚生労働省が実施した「高年齢者の就業に関する意向調査」などから、定年退職後も働きたいと考える人の割合や理由が示されています。

調査結果のポイント

1. 高齢者の就労意欲は高い

「高年齢者の就業に関する意向調査」によると、60歳以上の多くの人が「定年退職後も働き続けたい」と考えています。

特に、65歳以降も働きたいという人が増加しており、その割合は50%を超えるケースもあります。

経済的理由以外にも、健康維持や社会とのつながりを求める理由が挙げられています。

2. 就労理由の多様化

高齢者が働きたいと考える主な理由は以下の通りです。

経済的理由：年金だけでは生活費が足りないと感じるため、定年後も収入を得たいとする人が多いです。
健康維持のため：働くことで日々の生活に張り合いが生まれ、身体的・精神的健康が保たれると考える人も多いです。
社会的つながりを保つため：仕事を通じて他者と関わることで、社会との接点を維持し、孤立を防ぎたいと考える人もいます。

3. 定年後の働き方の変化

定年後にフルタイムではなく、パートタイムや嘱託、短時間勤務など、柔軟な働き方を希望する人が増えています。

また、シニア層が「働きたい職場」として多く挙げるのは、柔軟な勤務時間や仕事内容が体力的に負担が少ない職場です。

老後に「働かない選択」との対比

調査データを元に考えると、老後に働き続けたいと考える人が多い一方で、「定年後に働かずに生活する」という選択も当然あり得ます。

ただし、働かない選択をする場合には、経済的・精神的・健康的な準備が必要です。

経済的視点：多くの高齢者が働き続けたい理由に「年金や貯蓄だけでは足りない」といった経済的不安が挙げられます。このため、定年後に働かずに生活するためには、しっかりとした老後資金計画が求められます。公的年金だけで十分な生活ができるか、退職金や貯蓄をどう運用するかがカギとなります。
精神的視点：多くの高齢者が仕事を通じて社会とのつながりを保とうとしています。働かない選択をした場合は、他の手段で社会とつながりを持つことが精神的な健康維持に必要です。趣味や地域の活動などを通じて、孤立を防ぐことが重要です。
健康的視点：仕事を通じた身体的活動や日常のリズムが健康維持に役立っているという意見が多いことから、働かずに生活する場合でも、定期的な運動や規則正しい生活を心がけることが大切です。